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◆第19番 太陽◆

統合

吉兆

19番太陽

◆キーワード

《正位置》

二元の統合、一つとなる、一体化、迷いがない、同志と出会う、無敵、吉兆、日の目を見る、実現する、歓喜、解放、兄弟、友情

《逆位置》

矛盾する、受け入れられない、排除、相性が合わない、望みが見えない、分かれた道、内輪もめ、内紛、差別、壁を作る、解放しない、希望が叶わない

◆太陽の象徴

月のカードは葛藤に揺れ動く人の心の情念が描かれているようでしたが、太陽のカードでは一転して明るい雰囲気の絵柄となっています。月は陰陽の「陰」を、太陽は「陽」を表しています。陰陽は様々に表現されますが、このタロットカードでは、二つの矛盾するものの間で葛藤する様を「陰」とし、矛盾するものを統合し結論を得た様を「陽」としているようです。心が陰気であるというのは、矛盾する二つの間でどちらでもなくさまよう状態をいうのでしょう。葛藤から抜け出し、自分の進むべき道を見出した時、心は晴れ、希望に満ちた状態となるのです。

太陽のカードの上方には太陽が燦々と輝き、その下で右の人物が左の人物の肩を叩き、招き入れています。左の人物は突然のことに驚いているような表情をしています。二人とも首に赤い輪の跡が残っていることから、二人はかつて15番の悪魔の下で欲望の奴隷であったことを示しています。

左側の人物は尻尾を生やしており、つい先ほどまで欲望という悪魔の幻想に取り憑かれていたのですが、ようやく目覚めたようです。それに比べて、右側の人物は尻尾もなく、先に目覚めた状態であったということがわかります。先に目覚めていた人物のお腹には三位一体を表す三つの点(∴)があることから、右側の人物は悪魔のカードでは左側に立っていた人物であったということになります。二人は共に空色の腰巻きをしているので、様々な試練を乗り越え、清浄かつ神聖な自分を見出したのでしょう。価値観が相反していた二人はようやく統合され、同志となったのです。

招き入れられている人物は川を渡ってきたばかりのようです。彼らの足元を流れる川の水は、おそらく第17番「星」のカードの女神が手に持っていた水瓶から流れてきた水なのでしょう。女神が持つ水瓶から流れ出た水は永遠に枯れることのない智慧を表しています。水で象徴される教えに従うことで、二人はこの地にたどり着いたのです。

そして、右側の人物は白い石の上に立っています。白い石の上に立っているのは、心が清浄であることに揺らぐことはないということを示しています。つまり、この二人は「欲望の奴隷状態から脱した自分」と「欲望に執着していた自分」との葛藤がようやく決着し、心が統合された状態を表しているのです。

太陽は喜びと光明の源とされています。この太陽は心の太陽です。星のカードと同じように16の光芒が描かれていますが、この太陽には顔が描かれていることから太陽神として人格化されています。太陽は全ての中心であり、生命の源です。 二人の後方に描かれた壁は、二人の立っている場所が月のカードで描かれた城壁の向こう側であるということを示しています。彼らは太陽神の支配する王国への入国を許されたのです。欲望の奴隷から解放され、目覚めた者だけが入ることのできる王国です。

真の吉兆とは、矛盾する二つのものを統合することによって引き寄せることができます。光と闇、愛と欲といった二元的思考から抜け出し、相反するものを統合して初めて吉兆は訪れます。心が矛盾なく一つとなった時に本当に進むべき道が見え始めるのでしょう。

◆関連カード

第15番 悪魔:首の繋がれた跡、三つの点
第17番 星:川、赤と黄色の16の光芒
第19番 月:城壁、光の粒、水

◆第20番 審判◆

啓示

復活

20番審判

◆キーワード

《正位置》

審判、啓示、吉報、覚醒、復活、再生、回復、無敵、神の子、家族、三位一体、新しい人生、治癒、復縁、音楽、天使

《逆位置》

警告、知らせに気づかない、使命を受け入れない、役目の拒否、交流の断絶、コミュニケーション不足、未練、挫折、スキャンダル、復活困難、マンネリ、再起不能

◆審判の象徴

審判のカードでは、雲の隙間から天使が現れ、ラッパを吹いて神の勝利を宣言している様が描かれています。地上では、二人の男女が棺桶から蘇った死者の前で天を仰いでいます。この二人の男女の姿はキリスト教のイエスとマグダラのマリアのように見えます。

「審判」のカードのデザインは聖書に描かれる最後の審判がモチーフであるとされています。最後の審判が描かれたヨハネの黙示録には救世主の再臨が預言されています。ヨハネの黙示録に描かれている再臨する救世主は、イエス・キリストであると多くの人は信じています。しかしこの審判のカードを読み取ると、再臨するのはイエスではなく、彼とその隣の女性との間の人物であるように描かれています。

最後の晩餐

中央の復活した聖なる子は、イエスとその隣の女性と関係のある霊的な存在ということなのでしょうか。

レオナルド・ダヴィンチが描いた「最後の晩餐」という絵画には、イエスの隣に女性的に描かれた弟子が座っています。そしてその弟子はイエスに最も愛された弟子とされている使徒ヨハネです。イエスと使徒ヨハネとの間には不自然なV字型の空間があり、そこに背景である三つの窓の柱が立っています。そして使徒ヨハネはイエスの右側に座っています。詩篇110章1節には「わが主に賜った主の御言葉。『わたしの右の座に就くがよい。わたしはあなたの敵をあなたの足台としよう。』」と書かれています。

聖書において神の右に座する者こそがキリストされています。ということは、使徒ヨハネが霊的な修行を完成させ、今や神の子として新たに生まれ変わったということを示しているのかもしれません。「神の右」は力や権威の象徴です。また、自分の愛する者を置く所でもあります。

審判のカードにおいて、女性の視線は隣のイエスに注がれています。そして視線の先のイエスは天を仰いでいます。さらにイエスの視線の先の天使は、聖なる十字の旗が取り付けられたラッパを中央の子に向けて鳴らしています。。蘇ったその人物こそが本当の神の子であり、最後の審判で復活する存在なのです。

この中央の人物は全身が空色であることから霊的変容を成し遂げています。彼の背中の特徴を読み取ると、左半身は女性的であり、右半身は筋骨隆々で男性的に描かれています。これは霊的両性具有の表現であり、完全体ということを示しています。インド哲学やチベット密教において、男女合体尊はヤブユムとされ、魂の完成形とされています。

また新しく蘇った存在の頭にはトンスラの跡があることから、法王のカードでは弟子の一人に過ぎなかった存在が、何度も転生する中で法王を超えた超越的存在となっていることがわかります。蘇った墓の周辺には赤い迷路が描かれており、ここに到達するまでに迷路のような難関をくぐり抜けて来たということが推察されます。

再臨のキリストは、イエスではなく、イエスに仕えた女性の子であるとこのカードは示しています。イエスに仕えた女性としてはマグダラのマリアが有名ですが、彼女はイエスによって罪、穢れを取り除かれた女性として聖書に描かれています。それは聖なる精神(スピリット)に従うことで肉体による欲望の奴隷状態から解放され、キリストの花嫁(肉体が精神に従う状態)となったということを示しています。聖なる精神と獣なる肉体との統合は、宗教的には男性性と女性性の統合として描かれます。つまり審判のカードにおいては、父(精神:スピリット)と子(肉体:ボディ)と聖霊(思考:マインド)の三位一体が完成したということを表しているのです。

天上の雲間から身を乗り出してラッパを吹いている天使は、6番のカードの子供の天使とは異なり、大人の天使の姿をしています。それは魂の成長を表しています。さらに、天使は雲の輪の中から現れていますが、羽が雲からはみ出しています。ラッパには十字の旗が取り付けられていることから、全体を見るとこの天使は水星の記号「☿」を示していることがわかります。つまり、蘇った神の子を導き、智慧を授けているのは錬金術の祖であり、水星を象徴する伝令の神ヘルメスだったのです。

この審判のカードは、二元的な考えではなく、双方を受け入れ統合することによってのみ智慧を授かることが可能であるということを示しています。それは中庸の勝利であり、中庸の道を歩んだ者が神の子として生まれ変わるということを暗示しています。

この審判のカードを引いた時には、今までの全ての結果が中庸に基づいていたか否かの結果が表れる時であるということを示しています。

◆関連カード

第5番 法王:トンスラをした弟子
第6番 恋人:天上の天使、三人の人物
第19番 太陽:二元の統合、光芒

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