第12回の講座で使用するテキストです。このページの最下部にPDFをダウンロードするボタンがあります。必要な方はご利用ください。

◆第21番 世界◆

成就

創造する

21番世界

◆キーワード

《正位置》

大願成就、ひとまずの完成、完全、世界、環境、世間、宇宙意識との同調、高い志、 国際的視野、永遠、源、一なるもの、太極、歓喜、幸福感、絶対なる愛、宇宙原理

《逆位置》

未完成な状態、成就しない、環境のせいにする、志が低い、世俗的、海外旅行を避ける、枠から出られない、変化しない環境、低めで推移する業績、中途挫折、思惑外れ

◆世界の象徴

最後の大アルカナである21番の世界のカードは、完成された世界を表しています。卵形のリースは世界卵を表しており、世界の中心で裸の人物が踊っています。中央の人物は明らかに女性ですが、完成された存在なので両性具有とされています。それは肉体的な両性具有という意味ではなく、精神が男性で、肉体が女性という完全体を表しています。インド哲学においては、心の中心の精神的支柱をリンガ(巨大な男根)として表現されることがあります。この世界のカードでは、精神は目に見えないということから下半身が布で隠されている女性という表現になっているようです。

ヨハネの黙示録には次のような表現があります。

わたしはまた、大群衆の声のようなもの、多くの水のとどろきや、激しい雷のようなものがこう言うのを聞いた。『ハレルヤ、全能者であり、わたし達の神である主が王となられた。わたしたちは喜び、大いに喜び、神の栄光をたたえよう。子羊の婚礼の日が来て、花嫁は用意を整えた。花嫁は、輝く清い麻の衣を着せられた。この麻の衣とは、聖なる者たちの正しい行いである。』

ヨハネの黙示録 第19章6-8節

聖書にも、正しい行い(中庸)を実践することで天から祝福され、聖なる存在の花嫁になることによってそれは成就されると記されています。

この中央の存在はこれまでの修行が成就し、ついに神の花嫁、つまり神人合一を果たしたのです。この歓喜の様は踊るシヴァ神と重なります。

左手には杖を持ち、右手には壷を持っています。これは陰陽の象徴であり、この人物が陰陽両方の要素を所持していることを示しています。両足は十字に組まれていますが、これは審判のカードで示された男性性と女性性、天と地の統合を示しています。この人物がこれらすべてを統合し、大願成就を果たしたことを表現しているのです。

また、十字は物質世界を表しますが、足でそれを示しているのは、霊の世界を上とし、物質世界を下とする霊主体従を完成したという意味もあります。物質世界に生きながら、霊の世界を主とし、物の世界を従とするのは非常に困難なことです。彼女は瞑想を続けながら、物質世界の常識に囚われず、霊の世界を基準に生き続けた結果なのでしょう。

彼女の額には月のようなマークが隠されていますが、彼女はかつて太陽神を受胎した存在であり、その身に神の子を宿したことで完全体へと変容したことを示しています。彼女はもはや月だけの存在ではなく、日月星の三光を宿した大光明であり、宇宙意識のすべてを備えているのです。

彼女は青色のリースに囲まれた宇宙卵の中に存在していることから、彼女が宇宙意識そのものであることを示しています。また、リースの上下が無限の形に結ばれていることから、彼女のその地位は永遠に保証されているのです。

さらに、この卵型の楕円は、二つの円の重なった部分を表しているとも言えます。キリスト教では「ヴェシカ・パイシス」(ヴェシカ・ピスキス Vesica Piscis)と呼ばれており、魚の浮袋という意味です。ギリシャ語ではイクトゥスとされ、その形からジーザス・フィッシュと呼ばれることもあります。この楕円の中の人物の肩からたなびくスカーフが魚の尾びれのように見えるのは、この楕円がヴェシカ・パイシスであることを表現しているのでしょう。ヴェシカ・パイシスとは、あの世とこの世のちょうど重なる部分にこの人物が位置していることを示しています。この中央の人物は天と地の媒介者であり、天人地すべてを統合する王の役割を担っているということを示しています。

ヴェシカパイシス

ヴェシカパイシス

アーモンド型の中のキリスト三種

ヴェシカパイシスの中の
キリスト

この卵は大アルカナの初めの愚者が持っていた卵が巨大化したものであり、彼女は愚者であった頃から完成することが予め定められた運命であったのです。初めと終わりが繋がることで永遠を象徴しています。この卵型は永遠宇宙を表し、黄道十二宮をも表しています。彼女は宇宙の中心に立っているのです。円は天の原理を示しており、永遠性を象徴しています。円に辿り着いた彼女は永遠の存在であり、永遠の生命を得たのです。

彼女は悟りに至り、歓喜しています。そして彼女の歓喜のダンスが新しい世界を創造するのです。なぜならこのリースの周囲には四聖獣が彼女に従っています。運命の輪の時には、彼女の運命の輪を回す側であった四聖獣が今では彼女の意思に従っているのです。彼女はまさに運命の主であり、世界を動かす創造主なのです。

四聖獣は五大元素の四大を表しています。右上の鷲は風を表し、右下の獅子は火であり、左上の天使は水、左下の牛は地を示しています。牛だけが肌色をしていることから、牛は物質的世界の象徴なのでしょう。中央の彼女がこの四大をまとめる空の役割を担っています。

21番の世界のカードは、空というのは何もないということではなく、空という意識が真の宇宙意識と繋がり、世界と合一できるということを示しています。自己を超越し宇宙意識と繋がって完成するためには、自我を超えた大いなる意思と繋がる必要があることが分かります。空こそが世界であり、愛そのものなのです。

このカードを引いた場合には、今現在の環境は自分の選んだ結果であると悟り、自分自身の意思で新たな世界を創造してゆく必要があることを示しています。新しい人生はあなた次第なのです。

◆関連カード

第0番 愚者:卵
第1番 魔術師:四大元素
第5番 法王:黄道十二宮
第10番:運命の輪:四大元素

“2021タロット第12回テキスト” をダウンロード number12_tarot_coaching.pdf – 116 回のダウンロード – 3 MB