ウィルスと人類の進化

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庚子は改革の年

時流講座でもお話し致しましたが、今年は庚子の年であり、庚は斧を象徴し、根本的な改革の起こり易い年です。また子は、了という終わりと一という始まりを示しており、何かが終わり何かが始まる年であると言えます。

総じて、古い体制が終焉し、新しい体制への準備が始まる年と言ってもいいでしょう。

1600年の天下分け目の関ヶ原の戦いが起こったのも庚子の年です。ここから日本の体制は大きく変革されていきました。

歴史の流れから学ぶ

歴史における大きな流れから見ると、ある種の法則性があります。占いの世界では当たり前なのですが、一人の人間の人生だけでは知り得ない巨大な時間のフラクタル構造が存在しています。

現在、世界的な流行を見せている新型コロナウイルスですが、ウイルスの世界的流行(パンデミック)は、100年周期で起こっているとも言われています。

例えば、1920年にスペイン風邪が流行し、世界で5000万人以上の人が死亡したと言われています。当時は、第一次世界大戦の最中であり、ある意味においてはスペイン風邪が終戦させたのではないかとする説もあります。

また1820年から流行し始めたインドネシアやタイなどの東南アジア地域でコレラ菌による感染が蔓延し、10万人以上の人が死亡したとされています。日本でも1820年からコレラが流行し始め、多くの人を不安と混乱に陥れました。海外からもたらされたということもあり、当時の攘夷思想に拍車をかけたと言われています。これにより国の防疫意識は高まり、上下水道の整備が進んだとされています。

その100年前の1720年には、南フランスのマルセイユでペスト菌によるウィルス感染が流行し、約10万人が死亡したとされています。ペストによって神観念が変貌し、その観念から宗教改革が発生したとされています。

このように100年周期でウイルスが流行しているということにも驚きですが、ウイルスや細菌が世界的に流行することで人類が築いたこれまでの文明の必要性が問われ、また文明の方向性を強制的に変革させられているかのように思われるということです。

今改革すべき分野とは

今回の新型肺炎は世界的な広がりを見せておりますが、それによって学校の休校や経済活動の停滞を余儀なくされております。もちろん、短期的な視点では、この状況を乗り越えるために少しでも早く元に戻そうと考えるべきなのですが、長期的視点で考えたならば、このウイルス感染による社会的状況を見て、我々はどのように社会の変革を迫られているのかということを真剣に考える時なのではないかと思われます。つまり、新型肺炎の蔓延によって弊害が生じている分野が改革を迫られているということになるのではないかと思います。

世界中では、この新型肺炎の影響によってテレワークなど働き方・学び方が大きく改革されようとしています。経済の停滞によって今までの経済活動の見直しも迫られております。また、人種差別や利己的な行動に対してより一層関心が高まり、どのように対処するか個人個人が振り返り、考える機会となっております。

災厄によって進化する人類

疫病などの蔓延は、確かに人類にとっては災厄ではあるのですが、私たちのこれまでの習慣、考え方、経済産業のあり方、国家間の協調のあり方などが問われているように思います。このような時、人は元の状態に戻って欲しいと願いますが、もう元には戻りません。このような世界的危機の時こそ災厄を災厄として終わらせず、古い体制を脱ぎ捨て、新しい世の中へと改革の契機として頂きたいと思います。

災難とは、改革の契機であり、進化のための試練であると思われます。この危機を乗り越えたことで学校の体制、企業のあり方などが飛躍的に改善されたと歴史に残るような方向へ向かうと良いですね。 一日も早く新しい時代へ向けて社会が動き出すことをお祈り申し上げております。

全ては愛を学ぶためにあります
星明学舎代表 八乙女珠輝

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