八乙女小噺〈6〉では実際に瞑想をやってみます。 瞑想は日頃外側に向いている心を内側に向け、今現在の心がどういう状態であるか、心をつぶさに観察していくことが基本となります。
しかし、最初の頃は雑念が浮かび、心の観察ができているのかどうかわかりにくいものです。そこで呼吸に集中するという瞑想法から初めてみましょう。
- 瞑想は簡単ではない
- 調身・調息・調心で準備
- 呼吸のみに集中する
瞑想は簡単ではない
瞑想は、ただ目を閉じてじっとしているだけでできるものではありません。
瞑想の基本は呼吸に集中することから始めますが、最初の頃は一分間も呼吸だけに集中することが難しいでしょう。呼吸に集中しているようで、頭の中では様々な思いを巡らせていることがほとんどです。
始めの頃は、できないと落胆するのではなく、呼吸に集中している時間を少しでも長くできるように訓練していきましょう。
調身・調息・調心で準備
瞑想の準備として必要なことは、調身・調息・調心です。調身は姿勢を整えるということです。
姿勢というのは、結跏趺坐のような姿勢でなくても構いません。椅子か胡座をかいて楽な姿勢で座り、猫背でもなく、反り腰でもなく、仙骨を立てた状態で座ります。椅子の場合は、背もたれにもたれず、浅く腰掛けてください。そして軽く顎を引き、舌を上顎につけます。眉間をリラックスして、目を閉じ(半眼でも可)ます。
最初は口でお腹の底から吐くところから始め、あとは鼻で細く長く深い呼吸を数回行います。体全体がリラックスしたら、掌を上に向けて膝の上に置き、心を整えます。
呼吸のみに集中する
緊張している部分があれば、リラックスを促し、不快な部分があれば整えます。そして全体がリラックスしたら、頭の中心にある意識を少しずつ下へ降ろし、胸の辺りに意識が降りていくとイメージします。そこで自分の呼吸のみに意識を集中します。内部の呼吸の音に耳をそばだてるというようなイメージでもいいでしょう。
その状態を5分から10分維持してみます。このような瞑想法を繰り返すだけで、瞑想の効果を少しずつ実感できるようになるでしょう。